A doorknob cockpit 50 series late Prius

A doorknob that prevent accidents using affordances and physical constraints

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車のドアノブ

これは,2018年12月17日にマイナーチェンジして発売された50系プリウスのドアノブである.車のドアノブは,車以外のドアについているドアノブと異なるデザインがされている.この50系プリウスに限らず,車の内側のドアノブには事故を防止するためのデザインがされているのである.

アフォーダンス

車以外の普通のドアの場合,ドアノブがなく,金属などの板が付いた扉は押せばよい.引き手が付いていれば引けばよいことを示している.これらは扉を押したり引いたりすることをアフォードしており,我々は押すのか引くのかが瞬時にわかる.ほとんどのドアがこのようなデザインなのに対し,車のドアノブ,特に内側は異なるデザインがされている.車のドアノブは,車に乗り込むときはドアノブを引きそのままドアを手前に引くことでドアを開ける.その一方,車の中から外へ出るときはドアノブを引き,ドアは外側へ押して開ける.この時,ドアノブの操作とドアに対するアクションは異なるのでドアが開きにくい.これは,走行中などに運転手や同乗者が誤ってドアを開けないようにしている.

よって,これはアフォーダンスを逆手に取り,事故を防ぐようにデザインされていると考えられる。

物理的制約,乗っ取り型スリップ

車の内側のドアノブはアフォーダンスを逆手にとって事故を防ぐようにデザインされていると前述したが,この安全対策は物理的制約や乗っ取り型スリップといった他の理論を用いて説明することもできる.ドアは押すがドアノブは引くという所から,可能な操作の幅を狭める物理的な制約も関わっていると考えられる.またドアを開けるとき,片側は引くのであればもう片側は押すようになっている,もしくは両方押して開けるドアがほとんどである.このことから,ドアを見ると片方からは引いて入り,もう片方からは押してはいあるもしくは両方押して入るというイメージが我々の中にできているのではないかと思われる.このドアを開ける行為を自動化し,意識的な注意を払うことをしなくなると,ヒューマンエラーに繋がり,走行中に車から出てしまうという事故が起こってしまう可能性がある.よって,このドアノブは乗っ取り型スリップを防止していると捉えることができると思われる.