A guide to iPhone UI

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製品名 iPhone XR

iPhoneはAppleが制作するスマートフォンである.その構造はシンプルであり,外見からも必要な要素が整った綺麗なデザインとなっている.iPhone Xからは従来のホームボタンは搭載されておらず,画面も全画面表示となった.よって,側面にあるボタンなどが重要な役割を持つ.今回は,その側面のボタンが持つUIについて分析する.

ボタンの意味的制約

iPhoneには,電源ボタンと音量ボタンの2つが搭載されている.しかし,両者のボタンは形が全く同じであり,同じ列にならべるとどのボタンなのか区別をつけることが難しい. しかし,音量ボタンと電源ボタンを別の側面に設置することで,ボタンの数によってどちらのボタンを指しているかを利用者に伝えるという自然な対応付けになっていると考える.また,音量ボタンに関しては,これもどちらが音量を上げるのかまたは下げるのかについてはシグニファイアを示していないので理解が難しいかもしれないが,ボタン上部が音量を上げることと,下部が音量を下げることを認識する意味的な制約が絡んでいると私は考える.

ミュートスイッチのシグニファイア

音量ボタンの上部にはiPhoneのミュート設定を切り替えることができるミュートスイッチが搭載されている.これはスイッチを入れると赤く表示され,ミュートの状態になっていることを示す.これはシグニファイアに当たり,iPhoneの現在の状態を顕著に示していると考える.また理解の助けとして,iPhoneのバイブレーション機能を挙げる.ミュートスイッチをオンにした際iPhoneが少し揺れる.これもミュートになったことを示すシグニファイアであり,状態の変化を伝える要素は多く存在する.しかし,赤の表示になったからミュートになっているという発想は,作成者と利用者との概念モデルの差異がある可能性もある.