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Patatap

読み方は「パタタップ」。プログラマーのJono Brandel氏とエレクトロニックデュオLullatoneによって製作されたビジュアルサウンドキットアプリケーション。A~Zとのキーを押すことで割り当てられた音とアニメーションが流れ、それらを組み合わせて生まれる音と映像の重なりを楽しむ。スペースキーを押すと音のセットが変わり、異なる組み合わせを楽しむこともできる。WEBサイト上のサービスとしてだけでなくスマートフォン用アプリとしても配信されており、視聴覚的な面白さから幅広い層の人気を集めている。

シンプルな操作と画面表示

音楽制作と聞くと、専門的な知識を要求されるイメージが強い。例えばAppleが提供する「ガレージバンド」という作曲アプリは実際の楽器が細かく再現されている為、画面は様々なボタンで溢れており、使いこなすには時間がかかる。一方でPatatapは、操作するのは27個のキーだけなので非常にシンプルである。複雑な音階の調整などもなく、あらかじめ設定された音の組み合わせで楽しめるのが特徴的だ。作曲アプリと考えるとかなり制約の多い設計だが、それゆえ専門的な知識を必要とせず、気軽に楽しむことができる。

レジリエンス的な設計

Patatapの操作に関しては、どのようにキーの組み合わせでもアプリ上では演奏として成立し、ユーザがストレスなく楽しめる点が特徴的だといえる。これは演奏の方法に決まった答えが無いうえに、アプリ自体が既存の音楽制作と異なる方法で楽しめるよう設計されていることに由来する。例えばPatatapの演奏には楽譜が読める必要もなければ、楽器が弾ける必要もない。用意されているのもドレミのような音ではなく効果音であるから、どのように組み合わせてもアプリの楽しみ方に沿ったものになる。このように操作に正しい組み合わせを作らないことで、ユーザに専門知識が無いために引き起こされるような演奏上のエラーを許容している点が、レジリエンス的な設計であるといえる。

活動中心的なデザイン

Patatapの操作性は、先述したように制約を設けることで初心者でも扱いやすいよう工夫されているが、熟練度によっては制約を外し、より深く楽しむことも可能である。具体的にはシンセサイザーなどの外部機器を接続することで、音の鳴らし方やスピードをより細かく調整できるようになる。簡単な操作性でありながら、こうした拡張性をもたせている点は、このアプリが「音楽を楽しむ」という活動を中心にデザインされている証拠であり、幅広い層の支持を集める要因でもある。