A Screw Driver Bit And Its Holder.

Realization of logical storage with symbols.

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差替え式ドライバーのビットとホルダー

CAINZのTOOL BOOKという様々な工具がセットになった商品に含まれる差替え式ドライバーのビット(先端の取り替えて使える部分)である。プラス、マイナス、六角の三種あり、それぞれに複数のサイズが用意されている。使わないときはホルダーにまとめて収納する。今回はそのホルダー部分に注目した。

対応づけ

ホルダー部分の記号と数字が、それぞれビットの形と大きさに対応している。記号はそのままビットの形状を表し、数字は大きいほどビットも大きくなる。 記号と数字という限られた情報だけで、欲しい形と大きさのビットを使うための操作が自然に行えるようになっている。 また、ホルダーの記号と数字にはユーザの形状の理解を助ける意図があると考えられる。ビットは上から見ればその形や大きさは一目瞭然だが、ホルダーは画像のように倒れた状態でTOOL BOOKに収納されている。その際ビットは横倒しになり、横からではビットの形はわかりにくいものもあるため、記号と数字によって分かりやすくしていると考えられる。

フィードバック

視覚的なフィードバックが存在する。ホルダーからビットが取り出されると当然そこには”空き”ができるが、それがそのまま視覚的フィードバックとして機能する。 空きやその他の要素(記号など)を視認することで、例えば作業中であれば作業者が何を使っているか簡単に把握できる。また、道具を片付ける際にも空きの有無によるフィードバックによってビットの不足が無いかを瞬時に把握することが可能である。

論理的制約

論理的制約の実現には先に挙げた二つの要素が大きく関連している。記号による対応づけと空きによる視覚的なフィードバックによって、どこに何を片付けるかを論理的に決定、誘導しているのだ。 ビットの本体と接続する部分はいずれも同じ形状で、ホルダーの差込口も同様である。ゆえに単に収納するだけならどこに差しても問題はない。しかし記号を参照することで、プラスのビットならプラスの記号の場所へ、という様にそれに対応した位置への収納が自然に誘導される。またビットが片付けられていない場合に空きが生じることで、残りのビットをそこへ収納すべきだと自然に理解することが可能である。