HITACHIのエアコンに付属で付いているリモコンである。すべての操作がボタンで行われるタイプのエアコンのリモコンである。実行した結果がリモコンの液晶画面に表示されるというシンプルな構造である。

このリモコンのこの手にフィットしやすい形状と大きさがリモコンを片手で握るという動作をアフォードしている。

エアコンの「室温」と書かれているところに注目してみると、上三角、下三角の矢印のようなマークがあるのがわかるかと思う。室温という文字が書かれていることからもこのボタンは室温を設定するためのものだということがわかるかと思うが、室温を変化させるという状況において上三角、下三角の矢印が意味するものは、つまり温度の調整である。上三角の矢印の部分を押すと温度が上がるということを意味しており、下三角部分の部分を押すと温度が下がるということを意味しているということがわかるかと思う。しかしながら、見方を変えてみるとこれは、「室温」という単語をかこっているただの記号に見えてこないだろうか。これは、室温という単語の意味を正しく理解し、矢印の記号を見慣れている私たちだからこそわかる文化的な制約だと考えられる。

ボタンによって操作するたびに「ピッ」と音が鳴り、音によるフィードバックが得られる。また、リモコンの上の部分にある液晶画面に設定した温度が表示されるという文字によるフィードバックもある。