Fan

The Only Neat Thing to Do

Featured image

ヤマゼンYSS-J801

ヤマゼンから発売されたスリムファンで、写真のものは2012年製。スリムファンは扇風機の一種であり、円筒状であることが特徴。扇風機よりも場所を取ることなく、正面と内部構造より安全性が高い特徴を備える。

発見可能性

本体の高さは一般男性の腹部までであるため、見下ろして使うことが想定されている。そのため、正面に立って見下ろした際に真っ先に目に入るものがつまみである。つまり、つまみを回すことで動作させるのではないかという発見可能性が存在する。これは良いデザインにおける重要な特徴の一つである。

意味的な制約

つまみには凹みがついており、周囲には漢字一文字で切、弱、中、強が二セット書かれている。つまり、日本人に対しては通常の扇風機と同様に動作することがないオフと、三段階の風の強さが選べることを示唆している。また、その上で望む風速にするには凹みを合わせるという意味的な制約が存在する。文字の配置が点対称であることで、つまみが同じ漢字一文字の部分にしか向かないために、目的を達成するための向きはただ一つだけと決めることができる。

物理的な制約

もし使用者が日本人でなくとも、心配することはない。つまみはそもそも押すことも引くこともできない形状であり、回すこと以外不可能であるためだ。そのため、つまみというものは物理的な制約が強く働いているものと言える。どのような概念モデルを持っていたとしても、回すしかできないことでこの製品の理解を進めることができる。

フィードバック

漢字を読めない外国人には更に重要な点がある。漢字一字というものを記号として捉えると、必要な概念モデルはつまみの凹みただ一つに限定される。更に、ただ回すことで線のついている側は本体が動くこと、そして四つの記号は動かない、風の強さが変わることをそれぞれフィードバックしてくれる。これによって、これが送風機の一種であることが認識できる。