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Fire extinguisher
Simple and sophisticated colors and forms.
消火器
消火器は、初期火災において、消火する人が安全にかつ確実に消火できるもの。 概観すると、非常にシンプルな作りになっていることがわかる。
火災が起きているという状況を想像すると、人間の頭の中は忙しくなっているはずなので、本来であれば、「モノを使う」ということにおいて、エラーは生じやすくなっているはずである。 それを防ぐと同時に適切な操作を促すためにどのようなUI的な工夫がされているかを紹介する。
シグニファイア
栓の大きさに注目したい。 指の大きさより一回り大きく作られた円形である、栓はそこに、指を突っ込むことを促す。
次に、レバーのフォルムを注目したい。 レバーの上半分には絶妙なカーブがあり、丁度手がフィットするような形になっている。 下半分のカーブと併せて、手で握ることを促す。
本能レベルに訴えかける警告色
消火器全体を見て、特に赤色と黄色の部分について分析する。 赤色と黄色は警告色と呼ばれる色である。 とにかく目立つこれらの色は、使用する時と、使用しない時で異なった効果があると考えられる。 使用する時には、その目立つ色が、消火器のを早く発見することを助ける。 使用時以外には、警告色の効果により、安易に触れることがないことを本能に訴える。
物理的制約
消火器のフォルム全体を見た時、手で持つことができそうだと感じられる所がレバー部分に限られていることがわかる。 他の部分は、筒状であり、レバー部分を手で持ち、そのまま握り内容物を噴射するところまでをスムーズに促す。
文化的な制約
ここでは、「文化的な制約」をいかにデザインする側が守ってきたかというような見方をしたい。
消火器の色は、住宅用のものを除き、自治省令によって25%以上を赤色にしなければならない。 また、フォルムに関しても、筒型で、放射口としてのホースがあるということも統一されている。
歴史を重ねて、様々な改良は施されたであろうが、全体としての印象を崩さないようにすることで、使用者の消火器についてのイメージを守るということに成功している。 このようにして、消火器の使用に関して不安を覚えることはないのだろう。