Microwave Door And Sound.

Sound and shape interface

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電子レンジ 型番:MRO-T5E5

筆者が使用している電子レンジである。ドアは上から下に開き、ドアの右側に操作パネルがある。 ここでは本製品のドアと操作音に注目するが、これから紹介するUIの特徴はこの製品独自のものというわけではなく、ほとんどの電子レンジにあてはまるものであると考えている。 ほとんどの製品に当てはまるということは、ここで紹介するUIは「最適化された」UIといえるかもしれない。電子レンジが世間に浸透していくなかで形成されたテンプレートや見えてきた問題点について、インタフェースはどのように適応していったかを見ていこう。

シグニファイア

電子レンジのシルエットそのものがシグニファイアの機能を持っている。 たいていの電子レンジといえば、その形状は直方体のボディに短い足、そしてドアの取っ手がついたものがイメージされるだろう。実際「電子レンジ」と画像検索してみれば、似通った形の製品が次々と表示される。 このある種スタイライズされた形によって、ユーザはほぼ迷うことなく電子レンジを使用できる。ドアを開く動作や温めるための操作はある程度共通しているからだ。あくまで「電子レンジというものを知っている人」という制約の上ではあるが、ドアの取っ手、操作ボタンやパネルがそれぞれ開く、使うためのシグニファイアになっているといえる。

物理的制約

電子レンジのドアに物理的制約が存在すると考えられる。 電子レンジのドアの開き方にはいくつかパターンがある。右から左、上から下などで、あまり開く方向に迷うことはないかもしれないが、物理的制約によってユーザは正しく扱うことができる。 本稿で紹介している製品は、上に取っ手がついていて上から下に開くようになっているが、上以外に取っ手になるような出っ張りがないことは物理的制約といえる。取っ手がないことで、開く動作がかなり困難になるためだ。また下部にあるドアの蝶つがいも、開く向きを制限する物理的制約になっている。

フィードバック

操作する際の音が聴覚的なフィードバックになっている。 筆者の使う電子レンジはボタンを押すと音が鳴る。音のパターンは複数あり、例えば「レンジ」のボタンを押したときと「とりけし」のボタンを押したときの音程は異なるし、温めが始まった際の音楽と終わった際の音楽も違う。音によるフィードバックによって、今どんな操作が行われているかが分かるのだ。これはエラーの防止にもつながっている。 電子レンジの操作は押し間違いによるスリップがしばしば起こる。ワット数や時間指定を間違えて温めてしまった経験はないだろうか。こういったスリップも、音によるフィードバックで防ぐことができる。音の高さ、鳴った回数などによって、そのほかの情報も参考にしながら正しく操作できているかを判断することが可能であり、それによってエラーを防止できる。