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Recognizing a person allows for temperature testing.
Please face the camera
非接触型検温器
装置に直接触れることなく体温を測定できる。インカメラとその映像をリアルタイムで表示する画面が搭載されており、特定の場所に人が映ると、その人のおでこを利用した体温測定が自動的に開始する。測定が終了すると、結果表示と同時に、被測定者の状態をアナウンスしてくれる。
シグニファイア
画面にはカメラ映像の他に、正面を向く人間の上半身部分をなぞったような青い線と、おでこの位置に丸を描く赤い点線が存在する。これらは私たちが正面を向いた状態で、線に私たちの輪郭を合わせる形で画面に映すことで利用できる、ということを伝えるための標識、シグニファイアとしての機能を持つと言える。
概念モデル
このシステムに遭遇した際、画面に映る自分の体を無意識に青い線に当てはめようとすることも少なくない。この行為は、青い線は人の輪郭を示していると理解できる知識と、知育玩具の型はめパズルのように「穴や内側の空間、シルエットには何かが当てはまる」という概念モデルに基づいて発生したものだと言える。
制約
特定の場所に設置されたこの検温器がひとりでに動くことはない。故に、体温を測定するには被測定者が動き回らなければならない。静的な装置が、人間の接近を意味する─この関係は意味的な制約にあたる。 人間の動きに加え、測定位置に関しても制約がかかっている。測定場所をおでこで統一するため、被測定者が決まった位置にに立たないと測定が始まらないような仕組みになっている。人間の身体的特徴、カメラが映す範囲、装置の高さを利用し、被測定者の可動域に物理的な制約を設けている。
フィードバック
測定の開始/終了の合図が画面を通して行われる。 人の存在を認知し、測定が始まると、「顔を見せてください」という文章が「そのままお待ちください」に変わる。測定が完了すると、画面に体温が表示され、その数値に基づくアナウンスが流れる。 問題がない場合は画面上部に緑色のバーと体温が表示され、正常な体温であるとアナウンスされる。規定の温度を越える場合、赤いバーと体温が表示され、ブザーや警告アナウンスが流れる。
ここでは画面を用いた視覚へのフィードバックと、アナウンスを用いた聴覚のフィードバックが存在する。特に画面でのフィードバックにおいて、結果の画面表示が被験者の画面を見る動作と連携する要素や、正常を表す緑と警告を表す赤で、色による状態のフィードバック要素が含まれている。