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Safety Ui For Sliding Window Design
Windows with handle and arm for enhanced safety

滑り出し窓
高層に設置された,押し出すことで開くタイプの窓.窓枠の右側に取り付けられた取っ手を回転することでロックを外し,奥に押し出すことで開放することができる.押し出していると途中でアームが働いて,取り付けられたボタンを押さないと最後まで開くことができない.
シグニファイア
この窓の取っ手はレバーのような形となっている.レバーについて,多くの人は手で掴み回したり動かしたりすることで状態が変わるという概念モデルを持っている.例えば,窓の鍵や車のシフトレバー,自転車のブレーキ,トイレの排水レバーにおいてこのような概念モデルは共通していると言える.これにより,ユーザが取っ手を発見しやすくなり,手で掴み回転させるという操作の理解を助けている. アームは,窓の手前についていることで,奥に開くということを示唆している.加えて,窓を開いたときには,窓と接続されているパーツがアームだけとなり,ユーザに窓を引き留めていることを示唆する.これにより,窓が途中で止まった原因がアームであることが明確になり,ユーザの中で発生する「なぜ窓が止まったのか」という評価の隔たりを小さくすることができ,混乱を防ぐ.また,アームについたボタンが,周りの金属パーツと異なる素材,色となっていることで,ボタンであることをユーザに示唆している.
対応付け
アームについたボタンは,操作すべき対象であるアームに直接ボタンがついている.このため,ボタンとボタンによって操作される対象との間の関係が明白になった自然な対応付けとなっている.これにより,アームが窓を引き留めていることを理解しアームを操作すべきと認識したユーザが,対応するボタンを発見することで容易に使い方を判断することができ,アームに対し正しい操作を行うことができる.
物理的制約
この窓は取っ手を回転しないと奥に押し出すことができず,また,途中でアームについたボタンを押さなければ最後まで開放することができない.これは,取っ手を回さなければ窓を開くことができず,ボタンを押さなければ最後まで開放することができないという物理的制約として働いている.また,取っ手を回すという行為はレバーの概念モデルを持つユーザにとっては学習されたスキル,行動レベルによって実行され,アームのボタンを押すという操作は,アームに対して操作すべきと判断したユーザの意識的な行動,内省レベルによって実行される.この窓は高層に設置されているため,不用意に,または勝手に開放されると強風などによる落下の危険がある.そのため,意識的な行動によって「取っ手を回し,ボタンを押す」という適切な順序で操作しなければ開放されないという機構はインターロックとして働いており,ユーザの安全性を高めている.