T-fal frying pan and pot with detachable handle

Detaching the handle makes it easier to handle.

Featured image

インジニオ・ネオ IHセレナーデ・エクセレンス セット9

この製品は、T-falから発売されている、フライパン・鍋9点セットの中のフライパンと鍋のセットである。取っ手を取り外せるという点以外は、普通のIH用フライパンと同じように使用することができる。取っ手を接続するには、取っ手の接続部でフライパンの縁をはさみ、取っ手を握ればよい。取り外すには、取っ手の左右についているボタンを強く押せば良い。使用中に誤って取っ手を外さないよう、接続と取り外しで異なる方法となっている。取っ手を外せるため、フライパンを皿のように洗うことが出来る。さらに、オーブンや冷蔵庫に入れて使用することもできる。取っ手が無い分、縦に重ねられるため、コンパクトに収納できる。また、フライパンの中央には「お知らせマーク」がついている。お知らせマークは、温度が180℃程度となり、予熱が完了したことをお知らせする。

アフォーダンス

取っ手は、人に握られるというアフォーダンスを持っている。また、取っ手の左右にあるボタンも同様に、押されるというアフォーダンスを持つ。 アフォーダンスにより、取っ手の使用方法が絞られ、使用者は取っ手をどのように扱えば良いかがわかる。

記憶の類似性

取っ手の接着した状態のフライパンを使用するとき、使用者は、取っ手を握り、フライパンを動かして調理する。取っ手のとれるフライパンも、取っ手を接続すれば、取っ手が接着したフライパンと同じ見た目となる。取っ手を握るという動作で、取っ手をフライパンの縁と接続することは、取っ手を握って調理するという記憶との類似性を利用している。

シグニファイア

取っ手を接続したとき、および取っ手を取り外すときに「ガチャン」と音が出る。これがシグニファイアである。音によって、正常に着脱できたことを使用者に伝える。このシグニファイアが無かった場合、使用者は、取り外せたことはわかるが、正しく接続できているのかはわからない。このシグニファイアは、接続に失敗していて途中で取っ手が外れてしまうという事故を防いでいる。

また、「お知らせマーク」は、フライパンの温度が180℃前後となったことを使用者に伝えるシグニファイアである。お知らせマークは、お知らせマークを必要とする人にとっては役立つマークとして機能し、必要としない人に対しては、何も機能しない。必要とする人に対しては機能するが、必要としない人の動作を邪魔することがないという点が優れている。

意味的制約

取っ手は、フライパンを持つためにあるという意味を持っている。そのため、使用者は、フライパンに取っ手がついていないのならば、取っ手をフライパンに接続することを試みるはずである。

物理的制約

画像の通り、取っ手にはフライパンの縁と接続するための隙間がある。この隙間とフライパンを比較した時、隙間にはさむことができるのは、フライパンの縁しかない。この制約と意味的制約により、使用者は、フライパンの縁を取っ手ではさみ、取っ手をフライパンに固定することが出来る。

モードエラー・スリップ

フライパンに取っ手を接続する動作と、フライパンから取っ手を取り外す動作は、別の動作となっている。接続するときは、取っ手を握り、取り外すときは取っ手の左右についているボタンを強く押す。取り外す動作が接続の動作と同じように握る動作だった場合、調理中に間違えて取っ手を外してしまう可能性がある。操作方法を別にし、取り外す際に押すボタンを、握る場所から離すことで、モードエラー・スリップを防止している。