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信号機

信号機とは、車両や歩行者の進行可否を指示するものである。 指示によって交通事故を防止したり、交通環境を改善したりしてくれている。また、信号機は生活するうえで必要不可欠なものであるため、国籍・年齢・バリアの有無関係なく、誰にでも見やすく利用しないといけないもの である。このことから、信号機には多くの工夫が施されている。

LED式信号機

近年、電球式の信号機にかわって小型化したLED式信号機が普及しつつある。 LED式信号機は、電球式信号機の課題点であった「視認性の向上」と「雪積もりの回避」を解決できるように設計されている。さらに、電球式信号機よりも薄く、軽く、小さく設計されているため、「信号機費用の削減」が可能となった。すなわち、LED式信号機の設置は、ドライバーと設置者の両者に恩得をもたらしている。

#意味的制約 (慣例)

信号機には、「青・黄・赤」の3色が用いられている。なぜこれらの色を使用しているのだろうか? その理由は、動植物の本能に訴えかける色を活用することで、実行可能なアクションを理解させるためである。 「青」には、自然や生命を想起させて穏やかで安定している時に注意を向けさせるという特性がある。この特性を利用して「進め」を促している。「黄」には、危険な生物の色であるため、人間が本能的に警戒しやすいという特性がある。この特性を利用して「停止線を超えて進行してはダメ」を促している。「赤」には、血や炎の色であるため、身の危険を連想させて危機感をもたせやすいという特性がある。この特性を利用して「止まれ」を促している。これらのことより、信号機に動植物の本能に訴えかける色を活用することで、実行可能なアクションを理解させているといえる。

#物理的制約 #エピソード記憶

歩行者にとって、車両用信号機のレンズの色が見えにくい角度がある。車両用信号機のレンズの色が赤に変わることを確認した後すぐに横断歩道を渡りたいという人にとっては一見不便に思える事象だ。だが、実はこれが歩行者と車両との接触事故を防いでいるのではないかと考察した。 電球式信号機では「レンズを覆っている屋根」が、LED式信号機では「雪積もり対策のためにつけた角度のある信号機自体」が物理的制約となって、レンズが見える角度を制限している。 これら物理的制約が行動(車両用信号機のレンズの色が赤に変わることを確認した後に歩行者用信号機が青に変わるというエピソード記憶に基づいた行動)を自制させている。

#概念モデル

LED式信号機は、車の運転手と開発者がインタラクションするものに対して作り上げるモデルが一致するように、電球式信号機に似せてデザインされている。このことから、“電球式”から“LED式”への推移がスムーズにできていると 推察した。開発者とユーザーのシステムイメージは、通常、直接話すことで合致させる。しかし、信号機の場合は、誰もが幼いころより利用しているものである。ゆえに、電球式信号機とLED式信号機とのビジュアルや機能における差を可能な限りなくすことによって、ユーザーの概念モデルを過去利用してきたシステムのイメージから形成させることができる。すなわち、雪積もりや費用の削減による恩得を設置者に与えつつ、ドライバーの概念モデルを保持したままLED式信号機を利用してもらうことができる。