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Vending machine
A machine that allows you to buy drinks if you pay. The design makes full use of visual information and feedback.
自動販売機
自動販売機は、不特定多数の人がお金やカードを使い、商品の購入やサービスの提供を受けられる機械のことである。ここでは、お金を投入することで飲み物を購入することができる機械のことを指す。この自動販売機は、日本では屋内から野外まで幅広い場所で見られ、日本自動販売機工業会の調査によると、2018年では240万900台存在することが確認されている。このように、自動販売機は至る所にあり、利用者がいつでも飲み物を購入できるようになっている。
そんな自動販売機だが、多くの人が利用しやすいように視認性やフィードバックに優れたデザインとして設計されている。また、不特定多数の人が利用する点や自動販売機の置かれている環境を考慮した設計もなされている。
シグニファイア
自動販売機にはボタンがついている。これを押すことで商品を購入することができる。これは、当たり前のように思われるかもしれないが、「少し飛び出たボタンを押すことができる 」というシグニファイアを用意することで、ボタンを押すことができることを利用者に伝えている。これにより、ボタンを押すことで商品を購入できることの理解の手助けとなっている。
対応付け
上記により、ボタンを押すことで商品を購入できることが利用者に伝わっても、まだ解決していない問題がある。それは、どのボタンを押せばどの商品を購入することができるかが上記だけではわからない点だ。それを手助けしてくれるのが対応付けである。自動販売機では、ボタンの上に商品があり、ボタンと商品の数は同じである。そのため、ボタンと商品が1 : 1で対応付けされており、どのボタンを押せばどの商品を購入できるのかが分かるようになっている。
フィードバック
自動販売機ではお金を投入したとき、購入可能金額に達した商品のボタンが緑色に光るようになっている。これは、色によるフィードバックで利用者に購入できるかを伝える役割を持つ。この色を参考にすることで、利用者はお金を投入するかを判断することができる。
発見可能性
自動販売機では、売り切れの商品や準備中の商品のような購入できない商品のボタンは赤色に光るようになっている。これは、赤の色彩心理の効果を利用し、購入可能でないことが直感的にわかるようにデザインされている。また、お金を投入したとき、現在何円投入したかが表示されるようになっている。ここから、現在入れたお金を理解できるのと、自分が投入したお金より表示されている金額が小さい場合、投入したお金が認識されず、おつりとして出てきてしまったことが分かる。
物理的な制約
自動販売機を使ったことがある人の中には、こんなことを考える人もいるのではないか? 「お金の投入口が狭くて1枚1枚入れないといけない。投入口を大きくして、セルフレジの投入口のように複数枚入れても自動で精算されるようにしてほしい。」 私も最初はこのように考えていた。しかし、自動販売機の利用者と設置場所を考察するとこの考えは間違いだと思った。
まず、自動販売機は不特定多数の人が利用する。そして、設置場所は屋内、屋外の両方にある。屋外にある自動販売機の周りには、石や木の枝が落ちている可能性がある。もし、自動販売機のお金の投入口が大きかった場合、子供がイタズラでそこに石や木の枝を詰めるかもしれない。そのため、自動販売機のお金の投入口は、お金以外を入れることができない構造になっている。また、自動販売機の投入口をセルフレジのように高性能なものにすると、故障の問題が発生する。自動販売機は約240万台ありそれらのうちいくらかは屋外に設置されているため、そのような高性能なものにすると雨などの環境が原因で故障することが予想される。そうなると、修理費用がかかってしまう。自動販売機の投入口の物理的な制約は、このような事態を防ぐ役割もあるのではと推測される。
色のイメージの利用
多くの人は、色にイメージを持っている。例として、赤は温かい、青は冷たいといったものがある。これは、暖色、寒色と呼ばれるものが関係してくる。 暖色とは、赤やオレンジ、黄色などの色のことを指す。暖色は視覚から暖かい印象を与える。一方、寒色は青緑や青、青紫などの青系の色を指す。寒色は視覚から寒い印象を与える。なぜこのような印象を受けるのかというと、赤や黄からは太陽や火、青系からは水や氷を連想するため、無意識のうちに暖かさや冷たさを色に感じるからである。このように、火は温かい、水は冷たいという、外界の知識が色のイメージを作り上げる。これを利用して、自動販売機では温かい飲み物は赤色で、冷たい飲み物は青色で表現される。